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注釈の多い憶良亭日記まえがき

シドニーのはずれに住んでいるから「シドニー発」とか「オーストラリアの話題」とか満載できれば言うことはないんだが、ぼくの世間は、日本で流通している一般的なオーストラリアのイメージからはほど遠い。ハーバーブリッジは近所の坂道から鉄骨のアーチ*1だけちらっと見えるが、オペラハウスを見ることは年に数回あるかないかだ。先人の言い方をまねれば、オペラハウスがゴジラに踏みつぶされたって少しも困らないが、インターネット・サーバーがダウンするととたんに困るのである。しかも、オペラハウスがゴジラに踏みつぶされることは30年に1回くらいしかないが、サーバーの方はちょくちょくダウンするのである。

「シドニーを一言でいえ」といわれれば、「オーストラリアの都市としては世界一美しい町」とか「見栄と実益の町」とか「偉大なる俗物都市」とか「薄っぺらい一皮めくればエオラ*2の大地」とか「消費税*3込みで百十万ドルの*4ハーバー・ビュー」などとひねくれた言葉しか浮かばない。ひねくれているのは憶良亭亭主の性格だから仕方ないとしても、結局暮らし向きが日本に居た時と変わっていないということか。

注釈
*1: ハーバー・ブリッジはアーチ橋のように見えるが、実はアーチから垂れ下がるワイヤに支えられた吊り橋。アーチの両側の陸に砂岩の大きな塔が2基立っているが、あれは何もないと様にならないというブックエンド的理由だけで建てられた。
*2: Eoraは先住民族アボリジニのグループで、シドニー地域に住んでいたし今も住んでいる。"Eora"は、エオラの言葉で「普通の人たち」の意味。イヌイット、アイヌ、ウタリなど、「(普通の)人(人々)」を指す語がそのままその民族の呼び名になってしまった例は世界各地にいくらでもある。ニュージーランドの「マオリ」の場合は、「普通の人々」を意味する「Tangata Maori」の前半が省略され、「Maori」だけが残ったが、残念ながら「Tangata」が「人々」で、「Maori」が「普通の」の意味である。
*3: 消費税 (Goods and Service Tax, つまり物品サービス税) は現在10%。物品税、付加価値税、どんな名前で呼ばれようと税金は税金は税金は税金。消費税導入の際に、「所得税減税」する約束だったが、なぜか大した収入でもないぼくの所得税率は下がらず、消費税分だけ増税になった。
*4: シドニー・ハーバーはしばしば「Million dollar view」と形容される。ハードボイルド作家ピーター・コリスのクリフ・ハーディ物に、「フォード・ファルコンで市内からハーバー・ブリッジを渡る。1ドル50払えば誰でも百万ドルの風景を楽しめる」とある。ハーバー・フェリーから眺めれば確かに海岸沿いの不動産はいずれも2百万ドルから20百万ドルの邸宅である。ありがたいこった。見るのはただよ。ただし、通行料は現在消費税込みの3ドル30セント。

(「注釈の多い憶良亭日記」に続く)
 

 

フィドル少年漂流記:「チャーリー・フロイド」でチータカ・フィドルを弾いてらしたtwin_lensさんのブログ・サイト。なかなか通好みの音楽の話題が豊富で、しかも写真が美しい。
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フォークデストロイヤーズ:清貧 フォークシンガー岡本たみさんのウェブサイト。貪貧を自称する憶良亭の良きライバル。亡き友ピンクの追悼コンサートの様子を今も保存。
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Dr. Miki:篠原ミキさんの「DYLAN'S CHILDREN」というウェブサイト。サイト名はぼくにはちょっと恥ずかしいけれど、ミキさんの仲間の楽しみぶりがよく分かる。
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ひつじカンパニー:敦賀で長年音楽のサイトを運営している南志郎さんのサイト。
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シールズ・レコード:私の旧盤をCDで復刻し、未発表の音源もCDで出版してくださった奇特なレコード出版社。
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雲遊天下:大阪で独自の文化を送り出し続けているビレッジプレスの定期刊行物。あえてマイナーを目指しているわけではないが、納得できることをやっているとマイナーにならざるをえない、という人たちの希望のともしび。
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IWWの音楽CD:伝説的な労働組合ウォブリーズのCD通信販売。ジャンルは限られているが貪貧向け価格がいい。
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New Zealand Adventures:憶良亭がニュージーランドをバイクで走った時に出会った人たちが山道バイクツアーを運営。写真を見るだけで行きたくなるのが眼に毒。
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最終更新: 19-11-2005

 

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