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日はまた昇る
もう一度の19号線ブルース*1
貨物ヤード
ブーツに青いペンキの汚れ
店じまいの頃
グジグジ
落ちてきた歌
ちょっと寄ってみたくて
*1 「田中研二 LIVE'74 & '80」 - シールズ・レコード |
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日はまた昇る
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1. 真夏の夜の闇をくぐり抜け、窓吹く風はひどくなまぬるい
誘う光はオアシスじゃない、オールナイト・カフェ、ピンボール・マシン。
いくつもの顔が目に浮かぶ、酒と歌の夜をともに過ごした
そこからはずっと離れてきたが、行き着くところはまだ遠い。
Refrain:
朝の光の初めの一筋が
闇を西の空に追い払い
日はまた昇る、雲を赤く染め
どこかの阿呆をまた泣きたい気持ちにさせる。
2. 生まれついての流れ者じゃない、でも立ち止まったままで枯れてゆきたくない
水平線につながれてひたすら飛ぶ鳥よ、ぼくの心もまた扱いづらいもの。
通り過ぎる町、揺れるネオンサイン、少しずつ色あせ始めるころ
風になびく髪は燃え上がるよう、行き着くところはまだ遠い。
(Refrain:) |
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もう一度の19号線ブルース
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1. 19号線沿いのあの町へはあきれるように長い上り坂
こうして雨の中、この十字路に立つとぼくにはもう越せそうにない。
トラックから降りて、振り返る町は曲がりくねったぼくの7年間
なつかしさが苦い思いに変わり、喉の中は砂埃でいっぱい。
Refrain:
もう何も思い出すことはない、思い出して何にも良くならない
忘れられる先に忘れてしまえ、その前にもう一度19号線ブルース。
2. 君に話そうか、ぼくのいた町の山々がどんなに色を変えるか
川が流れをどんなに変えるか、この手の平のように知っている
でも君に話せることなんて、もうそんなにないかも知れないよ
ただあの町で男や女達がどんなにして出会い、そしても思いがけず別れるか。
(Refrain)
3. 冬の平原を分け合う人達がいた、それだって今はそんなに確かじゃない
さよならでや、さよならなしで、誰もが、離れ離れになった後で
あの時代の約束は少しきりだし、誰にもお互いが見えてたわけじゃない
今でもぼくに分からない一つのこと、この道は行く道か帰る道か。
(Refrain) |
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貨物ヤード
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1. 家を離れ、女と別れ、友達もいない寒い国
いくつもの屋根の下で眠ったが、見る夢はいつも同じ。
遠い汽笛が彼を連れてゆく、シグナルが彼を連れ戻す
コートの襟を立て、顔をうずめ、次の汽車を待つ、それでも、
Refrain:
夜明けはまだここには来ない
霜の下りる貨物ヤードに、貨物ヤードに。
2. 風もとだえ、吹雪は遥か、ここまでつけては来れやしない
月だけが彼の影を照らす、監獄のサーチライトのように。
たどったのはかすむ地平線、追いかけたのは虹の彼方
でも今夜彼を温めるのはウィスキーの小瓶だけ、だから、
(Refrain:)
3. タバコをくわえ、煙は流れ、明かりはまた一つ消えてゆく
追われてきたのか、追いかけたのか、知っていたのは昨日の話。
長距離電話の向こうに夕べ、なじみの女が立っていた
泣かないでくれ、怒らないでくれ、何かが変われば、そういつのこと、
(Refrain:) |
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ブーツに青いペンキの汚れ
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1. 道に踏み迷い、雨に打たれ、古いロマンスにさようなら
ポケットの中、しわくちゃになるどこかフランスの田舎の写真
あいつがこの町から姿を消したのは通りを風吹き抜ける9月
水溜りにタバコ弾き飛ばせば、ブーツには青いペンキの汚れ。
2. 呼び込む女、よろめく男、習ったダンスでダンディ気取り
ハガキの文句は短い言葉でも一度チャンスを見つけに行くと
あいつはあいつさ、ぼくはぼく、チャンスは札びらみたいに薄情者
左の肩には黒いコウモリ傘、ブーツには青いペンキの汚れ。
3. 敷石を渡り、橋をくぐり、ぼくはバランスを片足に載せ
最後の夜のぼく達のいさかいはちょっとしたニュアンスの違いだったはず
交差点を後一つ渡ればいつもの飲み屋、今夜車道はあふれる川
流れを横切るなんて無茶な話、ブーツには青いペンキの汚れ。
4. グラスを上げ、行った者達に、ウォーカー・エバンスも今は墓の下
いかれた男のいかれた歌さ、シーラカンスみたいにさびしくて
酔っ払っちまうまでこの店にいよう、それから雨の町に出てゆこう
ポケットの中にはあいつのハガキ、ブーツには青いペンキの汚れ。 |
店じまいの頃
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1. 店はもうおしまいの時間です、ざらざら流れるクロージング・タイム
扉を開ければそこは町の夜更け、おやすみまた明日と灯が消える
苦い水の流れ渡る酔いどれさん、友達を見かけたらよろしくと
ああ、とても素敵なこの町よ、通りはどこも店じまいの頃。
2. やり過ごした車のヘッドライト、すれ違った町の女に手を振り
めくらのバイオリン弾きの歌を聞くシャッター下りた地下鉄北出口
彼のたどってきた長い道のりが、今夜さかさまに見えてくる
ああ、とても素敵なこの町よ、通りはどこも店じまいの頃。
3. もうじき上潮の来る頃、上ってくる船を待つ人達がいる
蒸気船の汽笛が川をさかのぼる時、愛した女はこの部屋を出る
戸口の向こうでラジオが歌う、女の好きだった愛の歌
ああ、とても素敵なこの町よ、通りはどこも店じまいの頃。
4. 街角(飲み屋)の屋台じゃ髭ずらの男が星の流れに身を占っている
ルージュ噛みたさにこの町を捨て飲み屋で終わることもある
椅子のあいだに流れるあの髭ずらが一目あいたやおっ母さんと叫ぶ時
ああとても素敵なこの町よ、通りはどこも店じまいの頃。
5. 振り返れ、振り返れ、オールナイト映画で年とってゆく昔の夢を見た
大丈夫心配しないで、おっかさん、あんたの男が待っているよ
一晩歩いて、この町から抜けられず、たどりつくのはいつもの夜明け
ああ、とても素敵なこの町よ、通りはどこも店じまいの頃。
6. 手をつないだ男と女が走る、田舎へ深夜の便りを打ちに
短い休みの娘らが行く、又戻ってくる旅に出る
娘らは見るだろう捩じれた土地を、弱って行く親たちの背中のように
ああ、とても素敵なこの町よ、通りはどこも店じまいの頃。
店はもうおしまいの時間です、ざらざら流れるクロージング・タイム
扉を開ければそこは町の夜更け、おやすみまた明日と灯が消える。
(第4、5節は、本人はすっかり忘れていたのですが、篠原三樹さんこと
Dr. Mikiさんのお便りでここに追加しました。ありがたいことです) |
グジグジ
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1. あなたはいつでもそうなのよ、グジグジ
考え込んでいるばかりで、ウジウジ
泥沼につかり、堂々巡り、
友達の背中を眺めて暮らす
望みばかりが高すぎて、グジグジ
満足するのはほんの少し、
あたしがいなけりゃ、あなたはどうする
グジグジ言わず、ウジウジせずに
前を見つめて歩きなさいな。
2. あなたが通りに立っていると、グジグジ
子犬が足に小便ひっかける、ウジウジ
ねずみが住みつく、鳥が巣を作る、
それでもあなたは悩むばかり
目覚めればいつもの夜明け、グジグジ
でももうあたしはいない
あたしがいなけりゃ、あなたはどうなる
グジグジ言わず、ウジウジせずに
ズボンを払って歩きなさいな。 |
3. あなた一人じゃないみたい、グジグジ
あたしもそんなに変わりはないわ、ウジウジ
あなたを捨てて、出てゆくなんて、
空に描いたおとぎ話
あなたのうまいやり方なのね、グジグジ
バカな女は他にもいるわ
あたしがいなくてもやっていけるわね、
でもグジグジ二人、ウジウジ二人
も少し一緒に歩きましょうよ。 |
落ちてきた歌
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1. 昔、ぼくにも一人か二人、友達がいるにはいたが、
一人はスペイン、一人はあの世へ行った
どちらにも行けないままで、ぼくには友達がないという
町を歩けばどこででもぼくのような奴を見た。
2. 誰のためでもないなら、愛なんて苦しいばかり
何にもならないとしたら、人生は長く退屈
ぼくは牧師の息子じゃないし、あいにく坊主でもありゃしない
清く正しく生きてはいけない、朴念仁ではいられない。
3. そんなある日いきなり、お前が落ちてきた
通りの窓から陽気に、ぼくの肩に落ちてきた
首もくじいてしまった、背骨もいくつか折れた
あれ以来ぼくの心には、きまってお前がいる。
きまってお前がいる。
4. 町を歩けばどこででも、ぼくのような奴に出会いはしてきたが
お仲間になるのは真っ平、傷をなめあうなんてのは
だからお前ともあんなふうにいられれば一番いいのさ
お前が落ちてきたあの日の、あの日のように陽気に。 |
ちょっと寄ってみたくて
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1. たとえば今日はここにいても、
明日はどこにいるだろうね
時には誰かが思い出し、
誰かはすぐに忘れるだろう
でも、そうさ、構いやしないよ、そんなこと
誰かが思い出そうと忘れようと
2. 誰かがするのはお天気の話、
誰かがするのは愛の話
こんにちはごきげんようとご挨拶
おや、まだあんた生きてたのかい
戸口に立って、顔を上げ、コートの襟を立て
帽子を取って、振り返って、さあ、町に出よう |
3. 靴の泥はもう乾きかけている
辛い気持ちは置いていこう
愛しあうには暇がいるもの
で、ぼくはそろそろ行かなけりゃ
4. でも、そうさ構いやしないよ、そんなこと
誰かが思い出そうと忘れようと
ポケットにゃ、銀貨をちゃらちゃら
鳴らして行こう
もう一度いつの日か、
出会いのために。 |