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ホーボー日記

09/23/05

 

 

CDに入っていない歌を集めています。Dr. Mikiこと篠原三樹さんから私の昔の歌詞の資料を提供していただきました。本人が失った資料をちゃんと保存している方がいたというのは、ありがたいことです。反省します。

 

 ハッピー・バースデイ
 音節
 君なんか好きになるんじゃなかった
  御弓町小唄
  あの人たちのメリーゴーラウンド
 好きにならせないでくれ
 ビールとウィスキー

知っていたのですか*1
姉さんの歌

麦畑の朝
*1 「田中研二 LIVE'74 & '80」 - シールズ・レコード

 
 


ハッピー・バースデイ
 

 

1. そうして彼女は夢から覚めた
   誕生日を一人で祝ったところ
   冷たくなったコーヒーを流しにすてて
   セーターの袖でくしゃみを止めた。

Refrain:
   昨日がまだ見えないというのに
   窓の外を明日が足早にやってくる
   愛をその手に差しだせるのなら
   悲しみと怒りにもそうしておくれ。

2. ずっと昔彼女の世間がいいふらした
   気づかれなかった子供の毎日がゆく
   恋するには老けすぎ死ぬには若すぎる
   落ちるには高すぎるというこの世界だ。

3. 言われなかった言葉が今囁かれ
   気まぐれなあんたたちに笑いをなげかける
   夢の中ではそうとも彼女も自由だよ
   でもこの世で彼女がみつけたものは。
   (Refrain)

   おお君の誕生日におめでとう
   泣くには貧しすぎる年月ばかりに。

4. 彼女の腰のあたりで誰かがうずくまる
   そうして彼女は誰とも手をつながない
   そりゃたしかに子供っぽい間違いだったよ
   あの足音を愛と取り違えるなんて。
   (Refrain)


音節
 

1. 毎日のように向かいあわせに座り
   こうやってご飯を食べていると
   喜びだって悲しみだって無理やりに
   喉に押し込むみたいなんよ。

2. 胸ときめくなんてのはそうざらに
   あるんじゃないって事くらいはね
   でもあんたの心が分かったと思えたら
   それでお別れになってもいいんだよ。

3. こんなふうに他人と他人が
   好きになって抱きあっていたって
   死んでからもおんなじ墓の中で
   ちんまり並ぶなんていやなんよ。

4. あんたの心が分かったら
   そうほんの一瞬でも分かったら
   私それでお別れになってもいいんだって
   そう思えるときがあるんだよ。

5. 私に応えてくれないあんた
   黙って手を伸ばしてくるあんた
   それで何もかもが元のもくあみよ
   で目の前真っ赤になるんさ。


君なんか好きになるんじゃなかった
 

1. 君なんか好きになるんじゃなかった
   あのまま一人で行けたのに
   膝を抱え何かを待ち続けた日
   青空と肩並べ歩いた日
   いつか旅に出る日を夢見ていた
   それもみな置き去りにした今
   君なんか好きになるんじゃなかった
   もう最後の別れを告げよう。

2. ゆっくり頭をめぐらし振り返り
   桜咲く坂道から振り返り
   コーヒーの湯気揺れるその向こう側
   君は白い喉を鳴らす、ふふ。
   ずっと昔君に出会っていたなら
   テーブルのパンはじける遠い朝
   君なんか好きになるんじゃなかった
   でももう気にはしないだろう。

3. いつか見ようと言ってた一本の地平線
   どこまでも深かった街の階段
   額も頬も熱く燃やす恋人は
   景色にクレヨン塗っていた
   繰り返し愛の言葉、秋の葡萄の実
   舌に転がし古い映画のよう
   君なんか好きになるんじゃなかった
   でも、夜明けにはこの道を行くよ。

4. シーツめくれる真白い別れの朝
   もう君はどこへも行けないよ
   遠くから来た男達が遠くへやって行く
   その背中で空が傾きはじめ
   いつか君の唄う時が来るだろう
   ぼくのうすい血を噛んだ人よ
   君なんか好きになるんじゃなかった
   でもいつか会えるだろう、無事でいたら。


御弓町小唄
 

1. 寺が多いから寺町と云い
   弓職人の御弓町
   夕暮れの匂いのする町並みを
   自転車こいでく男がいる
   いくつもの伝説に束ねられた
   この時代を肩で振りはらい
   振りはらう肩の空に立ち上る
   のろしのひと筋ふた筋。

2. 禁じられた煙草に火を点けて
   うぶ毛を震わせる少年たち
   教室での誓いを破ったぼくら
   教師たちの憎しみをあびせられ
   ひまわり風に揺れる夏の日に
   あいつらあっという間に年老いた
   うつむいて笑ったクラス友達
   彼等も今は敵じゃない。

Refrain:
   おおいつか人がもっと若く生きられるとき
   光の中を歩くとき
   それまで君の力がうまく
   隠されていますように。

3. 希望と友愛を売り歩く男の
   洒落た口説き文句信じない
   男が場末のバンドの唄うたいなら
   ぼくら黙って立ち去ればいい
   苦い魚を噛るように昔
   ひとつの思いを呑み込んだから
   はるかなメロディ何度めかのリフレイン
   どんな唄にも慰めはない。

4. 誰ともうまくやって行けなかったから
   僕は別ればかりを考えた
   さようなら心やさしい町の娘たち
   ありがとう、激しい雨の中で
   九月になれば風も向きを変えるだろう
   今は遠い五月の空
   君はひとりの女の子に出会ったし
   僕は寂れた町を歩いた。
   (Refrain)

5. あれからもうどれくらい過ぎたのか
   爽やかな朝が来なくなってから
   ただ死んだ友達や別れた女たちの
   行った朝ばかりが戻ってくる
   女は葱の匂いその手の中で
   雨に打たれた季節が行く
   目を閉じ、君が眠るときそのとき
   世界は声をひそめるだろう。

6. 酔っぱらえば君のサキソフォン
   君の唄を吹いてくれ
   首都から遠く離れた海べりの町
   弓のようにたわむ空へ
   この唄が君の町へ届いたら
   一杯の酒に思い出してくれ
   でも最後にひとつだけ知りたい今夜
   風は何処から吹いてくるのか。
   (Refrain)


あの人たちのメリーゴーラウンド
 

1. こうもり傘は雪の日の忘れ物
   風が家々の戸をたたく
   窓辺じゃ夜毎淋しい猫が
   月に向かって鳴くと云う
   夕空にはどこも店じまいする
   ニセアカシアの並木道
   山の下傾いて歩けば錦町
   小樽の街のすぐはずれ。

Refrain:
   電気屋さんペンキ屋さんはお天気まち
   バイクに乗った大工さん
   山に日の沈む頃あの店に来て
   釣落とした魚でお茶を飲む
   坂を昇ってあともう一息
   海辺まで歩いてごらん
   でも忘れないで立ち止まって
   あの人たちのメリーゴーラウンド。

2. 運河の上を湿った風が吹く
   博物館通りの向こう側
   カモメが舞い降り舞い昇り
   他には何も動くものはない
   川のほとりに赤い煉瓦壁
   苦いファイナンスの残しもの
   この町より古いお年よりは
   九十二年の話をする。
   (Refrain)

3. 昔ロッキー山脈を越えてきた
   機関車も今じゃ塗り変えられて
   シベリアの前線下る北の海岸
   行く日も帰る日も知らないでいる
   船乗りたちは船に乗って出たっきり
   宿町は寂れるばかり
   僕は船酔い水夫の顔をして
   あの町の坂道を数えていた。
   (Refrain)

4. このまま東京まで走って行ける
   でも色内でバスを降りるのもいい
   町があんなに古びて見えるから
   誰も年とろうなんて思わない
   ああ僕の住む大阪の片隅にも
   寝屋川の湿った風が吹く
   カビ臭い夜のたもとで唄うのは
   小樽の人たちのことばかり。


好きにならせないでくれ
 

1. 午後7時街のカーテンが引かれ
   いつもの酔っぱらいもまだシラフのまま
   ドアが軽く揺れ街の灯がこぼれ
   その中静かに立つひとがいた。

Refrain:
   どこかへ駆けて行きたい夜がある
   どこまでもどこまでもこの街のはずれを
   夜の闇にとけてしまうなら
   どうかどうか好きにならせないでくれ。

2. 君の名前に一杯の酒を
   君の唇にひとつの挨拶を
   ギターがまだ鳴り続ければ
   終わりには終わりにはまだ遠い。
 

3. 頭が揺れ髪が花のように咲き
   君に唄をどうかどうかほほえんで
   この街最後の田舎者ひとり
   灯りの下でもうひと仕事。
   (Refrain)

4. もう一度ドアが揺れ街の灯がこぼれ
   女のいたあたり振り返れば
   ひとたちのあいだに空いたその暗がりで
   僕がひとり酒を呑んでいた。

5. 扉を押し開け表に転がりでると
   酒びたりのめんどりが時を告げる
   コインを空に投げ通りを歩こう
   もう一度彼女に会えるだろうか。
   (Refrain)


ビールとウィスキー
 

1. あり金はたいて切符を買ったんだ
   ぼくをもと居たところへ連れて行く
   ああ東京街の熱い真夜中
   停留所でバスを待ったのは。

Refrain:
   ビールは苦いよ
   ウィウィウィウィウィスキーも
   いつかのおごり酒のよう
   ビールは苦いよ
   ウィウィウィウィウィスキーも
   ライライララライ・・・・

2. 西の空に落ちた太陽追いかけ
   今夜あんたの街から出て行くよ
   スーツケースはひとつポケットはから
   ハイウエイの看板がぼくに云うのさ。
   (Refrain)

3. さようなら、あんたはいい人だったし
   ぼくにとっても良くしてくれたけど
   今になってもなんとも云えやしない
   どうしてこんなに離れて行くのかね。
   (Refrain)

4. 窓にもたれて手紙を書いたんだ
   もうしばらく会わない友達に
   果てしないハイウエイは星空の下
   おやすみおやすみ可愛い人よ。
   (Refrain) x2


知っていたのですか
 

1. 秋の取り入れの日のまばゆさで
   田んぼの向こうから来たあなた
   夕焼けの沈む学校の庭に立って、
   空は昏く砕けそうだった
   幾度かの野辺の送りをしたあぜ道や
   祭の旗の並ぶ村の道が
   あなたのまなざしの奥、ずっと奥に
   どんなにくっきり曲がって続くのか。

2. あなたがぼくほどの年頃であった頃、
   あなたには初めての娘がいた
   ぼくがこの世に生まれてきた日には
   とうにあなたがいたのがとても不思議だ
   あなたの影に重ならないのが辛くなって、
   いつか鋏を持ち出してみたりした
   あなたに重ならないぼくを切り落とそうと、
   でも落としたのは一握りの髪の毛だけ。

3. 知っていたのですか、まだ子供だった頃、
   湿った布団から覗いていたのを
   夜遅く、あなたの膝にからみついた蛭を
   あおざめてはぎ取っていたあなたは
   一人の余計者にしかなれなかったあなたが
   かがめた腰から飛び出して以来
   いくつもの時代と一つの戦争を過ぎてなお、
   今夜もあなたは蛭をはぎ取っている。

4. あなたに尋ねたかったことがあふれそう、
   でも尋ねるのはもうやめにした
   台風の朝の木の葉のみずみずしさで、
   あなたにもぼくにも分かっていたことだから
   薄暗い電灯の下であなたの家族が、
   そばかすだらけの背を見つめていた
   あの夜、一人の女が泣いた夜、
   どこかで一つの決意が鳴ったんだ。

5. しーんと闇の電線まで寝静まった夜、
   ぼくはあなたに歌を書いている
   何度目かの秋の取り入れの日に
   あなたを傷つけた鎌のこと
   あなたを待った迎え道で見た
   上着に降りかかったチョークの粉のこと
   あなたとの最後の喧嘩のことを、
   あの時どうしてあなたは黙っていたんだ。

6. しーんと家族の寝静まった夜、
   ぼくは一人で歌を書いている
   白髪の混じり始めた股の間のこと、
   飲んでも酔えないあなたのことを
   あなたがこの世に耐えることを憶えた時、
   ぼくには世界が耐え難かった
   ああ、夢の中でも聞こえますか、
   生まれたばかりの叫び声を。


姉さんの歌
 

1. あなたは今夜どんなに思い出すだろう
   子供の時代から追われた前の日を
   僕がまだ野良犬の匂いをさせ
   足音は鉄の階段のようだった頃のこと
   あなたは庭の猿すべりの木の掟を
   あくる日にはすっかり忘れていた
   あなたはいつの間にか化粧水の匂いになり
   そんなことに僕は怯えてばかりいた。

2. 淋しい女たちの家に生まれたあなたの
   淋しい会話は親譲りだって
   日曜日あなたがミシンをふんでいると姉さん
   ほら空がゴーゴー揺れていた
   あなたはスカートひとつひねると
   人生ほどの背丈に伸びていた
   壊れたオルガンをあなたが弾くとき
   秋はまっすぐに落ちて行った。

Bridge:
   泣いているのかあなたはそれとも泣いてない
  笑っているのかあなたは笑ってない
  すこやかな上に明るい目の姉さん
  世界の半分をあなたにあげよう

3. あなたの長靴一杯の雨の滴
   あなたのてのひらばかりの草っ原
   思い出が暗く霞んでしまう昔
   僕の知らない約束があった
   少女のまま母親になっていくあなたが
   振り返ろうともしなかった女がいる
   国境いを越える旅人のように
   やりきれない夜を越えて行く。


麦畑の朝
 

1. それは遠くで泣く子供の声か
   それとも畑で育つ麦の音
   何かがこんな夜更けに僕の目を覚まし
   夜のぬすっとのように姿を消した。

2. 今朝来た知らせじゃ友達がまたひとり
   あの町の暗がりで死んだんだ
   いつかここへ来ないかと君は言う
   僕は今夜こうしてこの町にいる。

3. 昔のことは忘れちまいなと君が云う
   みぞれのように生きて来たと云う
   でも僕の言葉はかたっぱしから巻取られ
   鏡にむかって君もまた年とって行く。

4. 君の歌がまだ歌われないままで
   僕の話がまだ話されないままで
   君はいっしょに旅に出かけようと云う
   でも今夜だけはこうしてこの町にいる。

5. バンドが懐かしい唄をやっている
   時には昔だけが優しく見えるもの
   そういつか君と僕が出会ったのも
   こんなにして雨の降る夜だった。

 
 

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最終更新: 09/20/05

 

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